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むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは、入眠の時などに脚に耐えがたい不快な感覚が起こり、じっとしていられない状態が慢性的に起こる病気です。脚を叩いたりさすったり動かしたりすると不快感が軽くなることが特徴です。
日本における有病率は3%程度と考えられており頻度の高い病気で特に女性に多く、発症は10代から20代が多いですが、子どもからご高齢の方までどの年代でも発症することがあり、男女問わず加齢により有病率が上がります。女性は出産の回数が多いほど、本疾患の有病率が増すことがわかっています。

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の治療

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の治療の目標は、自覚症状をゼロにすることでなく、自覚症状を改善させそれに伴う不眠を軽減し、患者さんの日中の活動や生活の質を向上させることです。まず、症状を増悪させる可能性のある薬物や嗜好品(コーヒーに含まれるカフェインなど)を中止し、二次性むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)であるかどうかを確認し、二次性のものであれば、原因疾患の治療を進めます。二次性でもこれで改善しない場合や、特発性(一次性)の場合は以下に示す治療を行います。
診断の補助的な検査として、夜間の睡眠状態を評価する終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)があり、症状が典型的でなければ、検査で睡眠中に周期的に足関節が動くかどうか(周期性四肢運動:PLMs)を確認することがあります。しかし、むずむず脚症候群に類似した疾患(RLS mimics)もあり、診断がなかなか難しいこともあります。治療として、神経伝達物質である「ドパミン」を補う薬を用いたり、フェリチンが低下している人には鉄剤が効果的です。

概日リズム睡眠障害とは

睡眠・覚醒の時間帯が、学校や会社など社会生活上望ましい時間帯からずれて固定してしまう病気です。極端に夜寝る時間が遅くなり、いったん眠ると朝には起床できず昼ごろまで寝続けてしまうといった睡眠相後退症候群が代表的です。特に夜間の外出やスマートフォン、パソコンなど強い光を発する機器を使うようになる思春期~青年期に多く、長期休暇や風邪などの体調不良をきっかけに発症することが多くあります。
人の体内時計の周期は約25時間程度といわれ、1日24時間より長いため、その体内時計のズレを修正する必要があります。最も重要なのものが「朝の光」であり、朝に目から強い光が入ることで体内時計がリセットされ、それから約14~16時間後に眠気を促すメラトニンというホルモンが分泌されて自然な眠気が生じます。この一連の体内時計のリズムが何らかの理由で崩れると概日リズム睡眠障害を引き起こします。
治療については、睡眠リズムのパターンを把握した上で生活指導を行い、必要に応じて薬での治療を組み合わせていきます。

睡眠時随伴症(寝ぼけ、夢遊病、夜驚症、レム睡眠行動障害)

睡眠随伴症では、レム睡眠行動障害と睡眠時遊行症(いわゆる夢遊病)などが有名です。どちらも寝ながらにして寝ぼけたような行動をとることが問題となります。

  1. 刺激による覚醒の違い
    レム睡眠行動障害は刺激により容易に覚醒しますが、睡眠時遊行症(夢遊病)は刺激でも覚醒は困難でむしろ興奮することもあります。
  2. 怪我のしやすさの違い
    睡眠時の外傷ですが、レム睡眠行動障害では素早く暴力的な動きが多いため自分や周りが怪我をしやすいのに対し、睡眠時遊行症(夢遊病)ではゆっくり歩き回ったりトイレに行ったりといった穏やかな動きが多いため刺激をしない限りは怪我はしにくいと言われています。
  3. 目の開き方の違い
    レム睡眠行動障害では目が閉じた状態ではっきりとした寝言を言うことが多いですが、睡眠時遊行症(夢遊病)は目が開いた状態であるもののはっきりしない言葉を呟くような寝言が多いと言われています。

似たような症状のため区別がつきにくいことも多く睡眠中の脳や体の活動を記録する検査を行うことで区別することも多いです。ご心配の方は一度ご相談いただければと思います。

睡眠関連摂食障害

睡眠関連摂食障害とは

睡眠関連摂食障害は夜間眠っている間に動き出し、無意識のうちに何かを食べてしまう病気です。脂肪分や糖分の多い高カロリーの食事を摂取したり、料理まですることもありますが、記憶がほとんど残らないことが一般的です。そのため、料理や食事をしている姿に家族が気付いたり、「朝起きたらお菓子の空袋がある」といった訴えをされる方が多いです。重症化した例ではタバコやペットフードなど食べてはいけないものを食べたり、寝ぼけたままで火を使って調理して火事になるといったこともあるため注意が必要です。また、夜中に過食してしまい、知らないうちに体重が増えたり、胃腸の障害を引き起こすこともあります。特に若い女性で抗不安薬や睡眠薬などを服用中の方に起こりやすく、むずむず脚症候群や睡眠時無呼吸症候群、睡眠時遊行症など他の睡眠障害を合併していることも多く治療的な介入を要します。

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