Symptomよくある症状について
下記疾患でお悩みの方は一度当院にご相談下さい
- 睡眠外来、女性外来
- うつ病
- 認知症
- 双極性感情障害
- 統合失調症
- 不眠症
- 睡眠時無呼吸症候群
- 過眠症
- 発達障害
- 適応障害
- パニック障害
- 自律神経失調症及び心身症
- その他の不安障害と強迫症
- むずむず脚症候群、
概日リズム睡眠障害、
睡眠関連摂食障害
不眠症
不眠症とは、夜に眠れないなどの睡眠の問題があり、日中に眠くて身体がだるかったり集中力が低下することで、生活に支障が生じる病気で一般的には質的または量的に十分な睡眠が得られない状態を指します。不眠を経験することで更に布団に入ってもなかなか眠れず、「早く寝ないと」と不安や焦りが強くなり、余計に眠れなくなるといった悪循環を経験する方も多いのではないでしょうか。不眠の症状を抱えておられる方は年々増加しており、成人の3人に1人以上が何らかの不眠の症状を感じていると報告されています。睡眠への恐怖心や不安が高まると、「今夜も眠れないのでは」と朝から一日中睡眠のことばかり考えて何も手につかなくなったり、日中の眠気やだるさ、集中力の低下にもつながるため、仕事や家事がうまくいかなくなり、抑うつ状態に陥ることもあります。
不眠症の分類
①不眠のタイプ別分類
入眠障害(なかなか寝付けない)
床に入って寝付くまでに、30分~1時間以上かかるタイプ。精神的な問題や不安、緊張が強いときなどに起こりやすいです。
中途覚醒(夜中によく目が覚める)
睡眠中に何度も目が覚めたり、一度起きた後なかなか寝付けなくなるタイプ。不眠の訴えの中で最も多く、中高年でより頻度が高いといわれています。
早朝覚醒(朝早く目が覚める)
明け方、予定時間より2時間以上前に目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまうタイプ。高齢者やうつ病の方に多くみられます。
熟眠障害(ぐっすり眠った気がしない)
睡眠時間を十分にとったのに、熟眠感が得られないタイプ。他のタイプの不眠症を伴っている場合も多いです。
②不眠の持続期間における分類
一過性不眠症:
ストレスや生活環境の変化など特定の出来事によって引き起こされ、通常は数日から1週間程度で自然に解消します。
短期不眠症:
通常は2-3週間程度続きます。一過性不眠症が続いたり、ストレスや心配事が解消されない場合に発生します。
慢性不眠症:
一ヶ月以上続く不眠症を指します。生活習慣、環境、体調、精神疾患などが原因であることが多いです。
お薬による不眠症の治療
・GABA受容体作動薬 ~脳全体を休めて眠りをもたらす~
脳の興奮を抑えるGABA(ガンマアミノ酪酸)という神経伝達物質の働きを促すことによって、脳の活動を休ませて眠りへと導きます。お薬の構造から「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」と「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」に分けられます。
・メラトニン受容体作動薬 ~体内時計を介して眠りをもたらす~
メラトニンは体内時計の調整に関係し、睡眠と覚醒のリズムを調整する働きがあるホルモンの一つです。メラトニン受容体作動薬は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介することによって、睡眠と覚醒のリズムを整え、睡眠を促します。
・オレキシン受容体拮抗薬 ~亢進した覚醒を抑えて眠りをもたらす~
オレキシンは起きている状態を保ち、覚醒を維持する脳内物質です。オレキシン受容体拮抗薬は、オレキシンの働きを弱めることによって脳の覚醒を抑制し、眠りを促します。
その他にも漢方薬を用いて治療をするケースや日常生活の見直しや睡眠衛生指導のみで改善する方もおられます。また実際には不眠を招いている原因に対しても鑑別しながら適切な治療が必要となります。薬物治療を開始する場合も状況に応じ適切な減薬を行います。