適応障害
適応障害とは?
適応障害は人生の重要な変化やストレスフルな出来事(人間関係の問題、仕事や学校の問題、身体的健康の問題、大きな生活の変化など)に対する反応としてに反応して、ストレスの発端から3か月以内にみられる情緒面や行動面の障害です。ストレスとなる原因について様々であり、単一の原因ではなく、複数の原因による場合もあります。時に、進学や昇進、結婚、出産など第三者から見ると喜ばしいイベントが発症の契機となることもあります。一般的には全人口の約5-20%が生涯で一度は適応障害を経験するとされています。
適応障害の症状
適応障害の症状としては心理的な症状や行動面での症状、身体症状が組み合わさることもあれば単一で表出することもあります。
- 心理的症状: 無気力、悲しみ、不安、情緒面の不安定化や無力感、緊張、自己評価の低下、自殺念慮などがあります。
- 行動的症状: 睡眠の問題(不眠症や過眠症)、食欲不振(時に過食)、学校や職場での問題(例えば、欠席や仕事のパフォーマンスの低下)、社会的な引きこもりや交流の欠如、涙もろさ、自傷行為などがあります。
- 身体的症状: 頭痛、胃腸の症状(吐き気や下痢や便秘)、動悸や喉の詰まり感、全般的な体の痛みや怠さなど、医学的に原因が特定できない身体的な不調が生じることがあります。
適応障害の治療法
- 薬物療法: 薬物療法は通常、精神療法と併用されます。特に、不安やうつ病の症状が強い場合や、睡眠障害がある場合には抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。ただし、これらの薬物は症状の管理に役立ちますが、発症のきっかけとなっているストレスのかかる出来事への環境調整が特に症状の改善に役立つことがおいです。
- 精神療法やカウンセリング: 患者様がストレスフルな状況に対処するための技術と方法を学びカウンセリングにおいては特に認知行動療法(CBT)が有効とされています。CBTでは、患者はネガティブな思考パターンを認識し、それをより現実的かつ積極的なものに変える方法を学びます。
- セルフケア: これには、適度な運動、健康的な食事、充分な睡眠、アルコールやカフェインの摂取の制限、リラクゼーションテクニック(深呼吸、ヨガ、瞑想など)の習得が含まれますが病状によってはかえって悪化することもあるためタイミングを見ながらの適切な導入が肝要です。