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物忘れ、頭が回らない。。。~認知症かうつ病か発達障害かそれとも・・・

2023/04/22 BLOG

初診時の主訴でよく「物忘れ」「頭が回らない」「ミスが増える」「集中できない」などの訴えをお伺いすることがあります。

時に「認知症」を疑って来院されたり、もしくは「大人の発達障害」ではないかということを危惧されて来院される方もおられます。

診断は年齢、性別や家族歴、過去の生活歴(幼少期からの成育歴)等をお伺いし、時には心理検査も併せて見立てとして可能性の高い病名を考えながら治療を行っていきます。

まず「認知症」を疑うほどの認知機能低下ではなかなか仕事をこなすことは難しい面があります。長谷川式の簡易知能スケール(HDS-R)という我々が認知症の診断の時に最初に用いることが多いスクリーニングテストがありますが、そこでは知っている野菜の名前を10個ほど答えていただいたり、現在の日付など基本的な事項をいくつか質問します。そこがなかなか答えることが難しいほど認知機能の低下があれば認知症の可能性を疑いますが、若い方でなかなか認知症を発症していることは少ないもので多くは不眠や抑うつ(気分の落ち込み)などからの思考抑制などによる場合も多いです。

認知症を疑う場合には前頭側頭型認知症や脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などの鑑別を行い必要に応じて処方を開始することがあります。

大人の発達障害に関しては15年ほど前から一般化してきた印象を受けるコトバですが、発達障害とはもともと生まれ持った特性であり大人になって急に発症するという類のものではありません。一方で発達障害者支援法の施行などもあってか「発達障害」ということばがより一般化したことや大人になり、初めて発達障害を指摘されることが増えたことでこの単語がよく用いられるようになっています。学生時代には親や友人が苦手な部分をケアしていたり本人のほかの能力で補っていたりそもそも人との関わりが少なかったことで大きく困りごとがなかったものが実際に社会に出て仕事の量が増えて同時に複数の仕事をこなす必要が出たり、同僚や取引先などとの他社との関わりが増えることで仕事のミスが繰り返される。もしくは対人でのトラブルが増えるなどで困難を抱えるようになり受診に至ることが多いです。発達障害には主な種類として自閉症スペクトラム症(ASD)注意欠陥・多動性障害(ADHD)や学習障害/限局性学習障害(LD/SLD)があります。かつてあった広汎性発達障害やアスペルガー症候群といった病名では最新の診断基準においてはその概念はASDに含まれるなどして使用されることは少ないですが、診断書上では以前の診断名を踏襲してそのまま使用することもよく見られます。

詳しい現在の診断基準等についてはまた発達障害について詳しく書く機会があれば記載しようと思います。

同じ症状でも今回挙げた以外の他の疾患の可能性も考えられ、健康な時の自分と比べて状態がよくないと感じることがあれば気軽に受診いただければ幸いです。

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